映画「スティーブ・ジョブズ」などで知られる米俳優アシュトン・カッチャー(41)が29日(日本時間30日)、ロサンゼルスの裁判所で開かれた“ハリウッドの切り裂き魔”と呼ばれる連続殺人事件の被告の公判で証言台に立った。同事件で犠牲になった女友達が、殺害された当日にアシュトンと大事なデートを約束していたことなど衝撃事実が明らかになった。

 アシュトンが証言したのは、2001年2月21日、アシュレー・エレリンさん(22=当時)が見ず知らずのマイケル・ガルジウロ被告(43)にメッタ刺しにされて殺害された事件の法廷。アシュトンは同日夜、グラミー賞授賞式後のアフターパーティーに、同伴相手として知人のアシュレーさんと出席予定だった。

 アシュトンはアシュレーさんと電話で話した約2時間後、彼女を迎えにハリウッドの家を訪ねた。返答はなかったものの、室内の明かりはついており、ドアはロックされていたと証言。窓から中の様子をうかがうと、カーペットは真っ赤で「赤ワインをこぼしたのかと思った」と証言。翌日、アシュレーさんが47か所を刺され、殺害されたことを知り「がくぜんとし、恐怖におののいた」と当時の感情を吐露した。

 ガルジウロ被告は1993年にイリノイ州で女性(18)を刺殺後、警察の捜査から逃れるため98年にカリフォルニア州に移った。その3年後にアシュレーさんを殺害。05年にも女性(32)を殺害し、08年に女性(26)を襲ったが、激しく抵抗されたため逃走した際、被告も負傷し、出血。現場に残された血液から同被告が特定され、逮捕された。

 捜査当局は他にも犠牲者がいるとみて捜査を続け、裁判開始が遅れていたが、今月2日に初公判がスタート。同被告は3件の殺人と1件の傷害の罪に問われている。

 アシュトンは05年に15歳年上の米女優デミ・ムーア(56)と結婚したが13年に離婚。15年に「テッド」などで知られるウクライナ出身の女優ミラ・クニス(35)と再婚し、2児をもうけた。