スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー(P)が31日、愛知県庁(名古屋市中区)で開催されたスタジオジブリのテーマパーク「ジブリパーク」の会見に出席した。2022年秋に愛・地球博記念公園(愛知県長久手市)に開業予定の同パークについて「ディズニーランドに代表されるテーマパークでありながら、あくまでも公園。テーマパークの要素を若干入れながら公園の整備をする」とし、同公園にある既存の施設や土地の高低を生かした「新しい公園を作りたい。どうやって折り合いをつけながらやっていくか楽しみ」と話した。
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鈴木Pは、約1カ月前に同パークの建設予定地を訪れた際、「人間がいじってはいけない部分があると感じた」と言い、東京のある大学を挙げ「全体が森で、ポツンポツンと校舎がある。それを見ていいなと思った」とヒントを得たという。
また同パークで作品を上映する予定はあるかと尋ねられると「実はね、映画だけじゃなくて、お芝居とかやっていきたい」と構想を明かし、「もう少し近づいたら発表する。今日はこのあたりで」と話すにとどめた。会見に出席した大村秀章・愛知県知事も、同パークへの経由駅となる予定の藤が丘駅(名古屋市名東区)について「(ディズニーリゾートの最寄り駅の)舞浜みたいな感じに“お化粧直し”を……」と構想を描いていた。
一方で、鈴木Pは、何年も前から大村知事から同パークについてアプローチを受けており、この日、愛知県とスタジオジブリ、中日新聞社が連携・協力して整備・運営にあたることが発表されたことについて「世の中のことで例えるとこれは結婚かなという気がした。合意書は結納? 今の心境はマリッジブルー。結納を交わして、いよいよ結婚となると逃げたくなる。この場に出席することがいやだった」と冗談めかす一幕もあった。
また宮崎駿監督に会うと同パークについて話し合っているといい、「彼も今、映画を作って頑張っているんですが、たぶんジブリパークがどういうものになるか、心配でしょうがないんです」とコメント。「宮崎駿は人が何かをやっていると放っておけない“おせっかいじじい”。ジブリパークも宮崎吾朗という彼の長男が一生懸命頑張ってやっているんですが、温かく見守る人ではない。すぐ口を出すんです」とうれしそうな表情で舞台裏を明かしていた。
会見では同パークのロゴとポスター、新たな図面などが発表された。またスタジオジブリと中日新聞社が出資する運営会社を設立し、運営することも明かされた。中日新聞社の大島宇一郎社長も出席した。
ジブリパークは、愛知万博の理念の継承と、スタジオジブリの作品を伝え、残していくことを目的に「青春の丘エリア」「ジブリの大倉庫エリア」「どんどこ森エリア」「もののけの里エリア」「魔女の谷エリア」の五つのエリアが発表されている。映画「耳をすませば」の「地球屋」や、映画「となりのトトロ」の「サツキとメイの家」を中心とした昭和の田園景観、映画「もののけ姫」のエミシの村とタタラ場をもとにした和の里山的な風景、映画「魔女の宅急便」「ハウルの動く城」などの北ヨーロッパ風の空間などが整備される予定。
22年秋に「青春の丘エリア」「ジブリの大倉庫エリア」「どんどこ森エリア」を開業し、「もののけの里エリア」「魔女の谷エリア」は、その約1年後の開業を予定している。
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