俳優の香取慎吾(42)、リリー・フランキー(55)、音尾琢磨(43)、女優の恒松祐里(20)、西田尚美(49)が5日、東京・港区のTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた映画「凪待ち」(28日公開、白石和彌監督)完成披露試写会に登場した。

 香取が自身のキャリア史上、最も汚れた男を演じた。映画は「ギャンブル」と「震災」を柱に、香取演じるろくでなしの主人公・木野本郁男の“救済”の物語。ギャンブル依存症、殺人、いじめ、ヤクザなどを盛り込み、白石監督が香取の「狂気」をスクリーンに映し出した。

 ダークなスーツに身を包んだ香取は「この日を迎えられてすごくうれしく思ってます」。郁男のパートナー役を演じた西田が「香取さんがとてもすてきで。大スターな方なんですが、現場ではやさぐれた役で、それが香取さんじゃないみたいでとても好きでした」と話すと、「すごくうれしいです」と照れながらも「西田さんは僕が演じた郁男を温かく受け入れてくれた。そこからの展開で心がズタズタになるんですが」と作品の“絶望感”をにおわせた。

 音尾は白石監督と同じ北海道出身で、高校でも白石監督が1年先輩という間柄だという。「カットされたシーンがあったんですが…監督。でもいいシーンになってました」と音尾は苦笑い。

 また、香取との撮影エピソードを聞かれると、リリーは「慎吾ちゃんは忙しくて。俺が飲み屋から帰って来たら、スタッフが『香取さん、もう撮影に出ましたよ』と」。これに香取は「働き方改革!」と冗談を飛ばした。

 白石監督とのタッグについて、香取は「監督がヒューマンを撮りたいとおっしゃってくださったんですが、気づけば毎日ボコボコにされていたんです」とこぼしつつ「どんな役でもいいから出たいです。白石組の作品を見たら、僕がいると思われるぐらいに」。これには白石監督も「うれしいですね」と喜んだ。

 映画のタイトルにかけて、司会者から「今、何待ち中ですか?」と聞かれた香取は「早く公開されるのが待ち遠しいです。あとは完全体のカラダ。一生、ダイエットしているんでね」と自虐ギャグで笑わせた。