埼玉県知事選(8月8日告示、同25日投開票)に元プロ野球選手でスポーツライターの青島健太氏(61)が18日、無所属での出馬を表明した。

 青島氏は新潟市生まれで、6歳の時に埼玉・草加市に移り住んだ。春日部高校から慶大に進学。東芝に入社後、1985年にヤクルトに入団し、引退後はスポーツライターやキャスターとして、活動していた。都内在住だが、実家は草加市内にある。

 青島氏に白羽の矢を立てたのは、自民党の埼玉県連だ。上田清司知事(71)が先日、不出馬を表明。4期16年もの間、自民党は対抗馬を2度出したが、その牙城を崩すことはできなかった。上田氏は国民民主党の大野元裕参院議員(55)を事実上の後継者に指名しており、構図は変わらない。

「埼玉は旧民主党系が強いエリアで、自民党は前回の知事選で“神の手”といわれる心臓外科医の天野篤氏の擁立に動いたが、最終的に断念している。『このハゲー!』の豊田真由子元議員(衆院選では埼玉県第4区から出馬していた)ショックもまだ完全には癒えていない。シ烈な選挙になるでしょう」(永田町関係者)

 いわば“神の手”からバトンを引き継いだともいえる青島氏。政治行政は未経験で、不安を指摘する声に対し、「むしろ経験がないことが強み。今までの考え方や価値観に縛られることもない」と切り返した。

 映画「翔んで埼玉」がヒットし、注目を集めた埼玉県は、セールスポイントがないのがネックといわれる。青島氏は「埼玉県には本当にいろいろな宝がある。スポーツのコンテンツ、文化、農業…まだまだ良さがたくさんある。プロモーションの問題もあるが、もっともっと輝ける」と力説し、県民に自信と誇りを持つことも呼び掛けた。

 誠実な人柄とクリーンなイメージでどこまで有権者の支持を集められるのか。