落語家の春風亭昇太(59)が27日、都内で行われた落語芸術協会の会見で6代目新会長に就任することが発表された。

 同協会の新会長の座は、2018年7月に先代の桂歌丸さんが逝去して以降、空席となっていた。歌丸さんが闘病により、会長業務を執り行うことが困難だったため、副会長だった三遊亭小遊三が同年6月から会長代行を兼務。改選時期を機に小遊三は理事を退任し、新設された参事として、協会の“若返り”をサポートする。副会長には春風亭柳橋(63)が就任する。任期は1期2年。

 新会長の昇太は「新会長になることになりました。会長職というものがどんなものなのか、これからだんだんわかってくると思います。落語界がいい状況になっている中、ますます楽しんでいただけるようになればいいと思います」と初心表明。

 柳橋は「実は昇太師匠とは大学の落研つながりで。その時は私が先輩だったんですが、入門は昇太師匠が3日早かった。昇太師匠の初めての“女房役”になれればと」と笑いを取り、サポートを誓った。

 同協会は講談師・神田松之丞をはじめ、生きの良い若手が続々と出始めている。

 報道陣から、若手の抜てきについて聞かれると、昇太新会長は「抜てきが若手にとって勢いになればいい方法だと思いますし、協会の2つ目のみなさんも頑張っていて、誰を抜てきすればいいのかというような、うれしい悲鳴と言いますかね。盛り上がる事を切に願っております」と語る。

 今後のビジョンについては「我々が(若手を)指導する立場になることはできない。芸人の個々の努力。その中で我々は、頑張った方のサポート、お手伝いをさせていただければなと思います」と昇太新会長は話した。

 落語ブームで落語家を志す人間も増えていて「想定外以上に増えていて、楽屋に行くと前座さんがウヨウヨいる。我々がどれだけサポートできるか」と早くも新会長の“顔”を見せるも「花束いただくこともあるんですが、持って帰るのが大変。電車で帰る人間もいる。だから、私は訴えたい! 5000円の花束よりも3000円の祝儀をください! これは太字で書いてください!」と冗談を飛ばし、大笑いをかっさらう。

 前会長の歌丸さんからは笑点の司会も引き継いだ。

「実はどちらも僕が想定していたよりも早いんです。今回の会長のお話も想定より早かった。でも、バリバリ元気で動ける内にやっておけるうちに、やっておいた方がいいのかなと。時が経つにつれ、歌丸師匠の存在感の大きさを感じます。協会みんなで、頑張っていけたら」と思いを述べた。