落語家の春風亭昇太(59)が27日、所属する落語芸術協会の新会長に、総会・役員会を経て就任した。同協会会長の座は、昨年7月の桂歌丸さんの死去後、空席となっていた。

 会見で昇太新会長は「新会長になることになりました。会長職というものがどんなものなのか、これからだんだんわかってくると思います。落語界がいい状況になっている中、ますます楽しんでいただけるようになればいいと思います」と所信表明した。

 現在は落語ブームで、落語家を志す人間も増えている。「想定外以上に増えていて、楽屋に行くと前座さんがウヨウヨいる。我々がどれだけサポートできるか」と早くも新会長の“顔”を見せるも「高座では花束をいただくこともあるんですが、持って帰るのが大変。電車で帰る人間もいる。だから、私は訴えたい! 5000円の花束よりも3000円の祝儀をください! これは太字で書いてください!」と冗談を飛ばす一幕もあった。

 同協会の間でも「いずれは会長になると目されていた」というほど、人望の厚い昇太新会長だが、今後“悩みのタネ”になりそうなのが「若手の真打ち昇進」だという。

 現在、260人が所属する同協会には落語家の柳亭小痴楽(30)、講談師の神田松之丞(36)をはじめ「二ツ目」の伸び盛りの若手が多数いて、「成金」というユニットを組んで人気を博している。

「小痴楽は今年9月、松之丞は来年の真打ち昇進が決定しているが、次にどの若手が抜てきされるのか注目されている」(演芸関係者)

 昇太新会長も「(真打ち昇進が)若手の勢いになればいい」と会見でも話しているだけに、このあたりのかじ取りも見ものだ。