参院選で3期目を目指す弁護士で自民党現職の丸山和也氏(73=比例代表)は4日、都内で出陣式を行った。“戦争発言”の風評被害が直撃し、逆風の中での選挙戦で、救いの手を差し伸べたのは、マラソン仲間でフリーアナウンサーの徳光和夫(78)だ。

 過去2回の参院選で激戦を勝ち上がってきた丸山氏だが、3期目挑戦を前にとんだ迷惑千万な出来事が。丸山穂高衆院議員(35)が、北方領土を視察中に元島民へ放った“戦争発言”だ。連日“丸山議員”とテレビ、新聞で大々的に報じられ、自民党の丸山氏が問題発言をしたのかと思われる風評被害に巻き込まれてしまった。

 丸山氏は「防ぎようがなかった。天災みたいなもの。再度、丸山和也とアピールしていくしかない」と気持ちを切り替えたが、もともと大きな支援組織・団体はなく、党内でも一匹狼を貫いてきただけに、過去にない厳しい選挙戦となる。

 苦境にあえぐ丸山氏に一肌脱いだのが徳光だ。丸山氏が2005年に日本テレビ系の「24時間テレビ」チャリティーマラソンでランナーを務めた際の司会が徳光で、それ以来、親しい関係だという。徳光も11年に同マラソンを走っている。

 選挙の出陣式に初めて出席するという徳光は、支援者やスタッフを前に緊張した面持ちだったが、マイクを持たせれば天下一品。「今日は交通費など一切もらっていません。もらっていたら“闇営業”になる(笑い)」と場を和ませると「丸山先生は、『こびない、くみしない、くじけない』の3本柱で政治家の道を歩んでいる。不器用だからこそ信頼、信用できる人物。国政でぜひご活躍してもらいたい。丸山先生の勝利にズームイン!」と激励した。

 徳光の名調子ですっかり元気づいた丸山氏は「(3期当選の)奇跡をなんとか起こしたい。そして、徳光さんには失礼だが、もう1回、24時間マラソンを走りたい。最高齢記録は徳光さんの70歳。いつか破りたい」と夢を披露した。