【英国・ロンドン10日(日本時間11日)発】テニスのウィンブルドン選手権男子シングルス準々決勝で、世界ランキング7位の錦織圭(29=日清食品)は史上最強の“芝王者”ロジャー・フェデラー(37=スイス)に6―4、1―6、4―6、4―6で敗れ、ベスト8で姿を消した。

 満員に膨れ上がったテニスの聖地・センターコート。白いバンダナ、ユニクロの上下ウエア、ナイキのシューズ、ウィルソンのラケット…と、全身が同じいでたちの両雄が入場すると、会場から大歓声が沸き起こった。

 そんな中で始まった第1セット、いきなり錦織はブレークする最高の出だし。次のゲームをキープし、第3ゲームも40―0まで追い込んだが、ここからデュースに持ち込まれてキープされ、王者の意地を見せられた。錦織が1ブレークアップの5―4で迎えた第10ゲーム、激しいストロークの攻防を経てキープすると、右拳を力強く握って何度もガッツポーズ。大事なファーストセットを奪った。

 だが、ここから王者の逆襲に遭う。第2セットは強打にボレー、ドロップを織り交ぜる変幻自在のプレーに屈し、1―6と一方的な展開。わずか22分でセットを落としてしまった。第3セットは序盤から互いにサービスゲームをキープする展開も、3―3の第7ゲームで錦織はデュースの末にブレークを許す。結局、このブレークポイントが効き、4―6でセットを落として崖っ縁に立たされた。

 背水の陣の第4セットも、互いにサービスゲームを譲らぬ一進一退の攻防が続いた。要所でスライスを使いだした王者に対し、錦織もラリーで必死に食らいつく。だが、4―4の第9ゲームでブレークされて4―5となると、第10ゲームの最後はサービスエースを食らってジ・エンド。終盤、勢いを加速した王者に力の差を見せつけられてしまった。

 なお、フェデラーはこの勝利でウィンブルドン100勝目となった。