高校野球西東京大会の3回戦(15日・ダイワハウススタジアム八王子)で、第3シードの日大三が桐朋に4―1で勝利。昨夏の甲子園ベスト4で優勝候補の一角に挙げられているものの、伏兵相手に初戦から思わぬ苦戦を強いられた。

 打線が8回まで散発5安打と機能しなかった。1―1の7回に2点を奪って勝ち越したが、無安打5四死球と相手投手陣の“自滅”による得点だ。エース・井上(3年)を6回から投入せざるを得ない緊迫した展開となったが、最後は何とか逃げ切った。

 試合後、小倉全由監督(62)は開口一番で「負けゲームですよ」。その後は苦笑いを浮かべながら「ピッチャーはしっかり抑えてくれたが、打てなさすぎ。でもまあ、夏は負けるわけにはいかないんで。負けなかったということだけですね」と続けた。

 今夏は各地の大会でV候補が早々に姿を消すなど波乱含みの様相を呈していることに「こういう年って本当にあるんですよ」。薄氷とはいえ、それでも初戦突破を果たせたことで胸をなで下ろした。

 この日は本紙評論家の前田幸長氏の長男・前田聖矢(3年)が「1番・二塁」で先発出場。無安打に終わったものの7回一死一、二塁から死球で出塁し、その後の勝ち越しにつなげた。前田氏もスタンドから試合終了まで熱い声援を送った。