巨人前監督の高橋由伸氏(44)が29日、「サントリードリームマッチ2019」(東京ドーム)に初出場し、投打で活躍した。

 岩瀬仁紀氏、井端弘和氏、摂津正氏、山口鉄也氏らと「ザ・プレミアム・モルツ球団」の新加入選手として紹介されると、満員のスタンドから大歓声。依然として高い人気を示した。

 試合には「1番・中堅」で先発出場。注目の第1打席は元阪神・井川慶氏と対戦した。現役時代をほうふつとさせる初球からの積極スイングを披露したが、さすがにスイングスピードは衰えたか、捕邪飛に倒れた。

 第2打席はかつてのチームメート、高橋尚成氏と同期対決。バットのヘッドを尚成氏に突き出し“ガチンコ勝負”に出たが、1ボールからの2球目を打ち損じ、一邪飛に打ち取られた。

 由伸氏は5回の守備から交代したが、その裏、相手バッテリーが前投手総合コーチの斎藤雅樹氏、前ヘッド兼バッテリーコーチの村田真一氏というタイミングもあって代打で緊急出場。まさかの“前首脳陣対決”となったが、カウント3―1からの5球目を打ち上げ三飛に倒れた。

 打席ではいいとこなしで終わったが、その後、夢の展開が。6回一死一塁、今度は投手として登板すると、代打に桑田真澄氏が告げられた。高校時代以来の投手復帰となったが、フルカウントからの8球目を中前に運ばれ、マウンド上で「やられたー!」と悔しがった。

 それでも、最後の最後にチャンスが巡ってきた。2点ビハインドの6回無死一塁で代打出場し、槙原寛己氏とマッチアップ。ボール2からの3球目をきれいにはじき返す右中間二塁打で1点を返した。さらに5―2で迎えた8回二死二、三塁の場面でも代打で登場。小林雅英氏から二遊間への2ゴロに倒れたが、二塁手の失策を誘い、2者が生還した。

 終わってみれば、ほとんどの見せ場を演出した由伸氏。終始リラックスした様子だった。試合後には最優秀選手(MVP)に選ばれ、久々のお立ち台で「久々に野球が楽しかったです」と笑顔でコメントしスタンドを再び沸かせた。