中村吉右衛門(75)が東京・歌舞伎座「秀山祭九月大歌舞伎」(1~25日)で、祖父の3代目中村歌六の百回忌追善で昼の部「沼津」、夜の部「松浦の太鼓」を上演する。 3代目歌六は、初代吉右衛門、3代目中村時蔵、17代目中村勘三郎の父で、幅広い役を演じた名優。吉右衛門は「追善も百年となると、おめでたいこと」と話せば、当代の中村歌六(68)も「こんなにうれしいことはない」。「沼津」では吉右衛門の十兵衛に歌六の平作、「松浦-」は歌六が初役で松浦鎮信に挑む。 夜の部「寺子屋」では、松王丸役の吉右衛門の孫尾上丑之助(5)が菅秀才役で共演する。「長く座る役だから、大丈夫か心配。七夕の短冊に『菅秀才ができますように』と書いたのを見て、良かったなと思った。孫の力を得て務めたい」。昨年9月「秀山祭」で5年ぶりに舞台復帰した中村福助(58)も園生の前で出演する。「大分元気になってきた。また出てくれてうれしい」。「沼津」で中村歌昇の長男小川綜真くん(3)が初お目見えする。