5月1日付で、吉本興業へ所属していたタレントなべおさみ(80)が27日、京都・よしもと祇園花月で、吉本新喜劇に出演した。長男で元たけし軍団なべやかん(49)の明大替え玉受験騒動から、テレビなどでの活動の機会を失ったが、これを逆手に「今日、劇場へ着いて、案内されたのは裏口でした」とジョーク。芸人が出入りする「楽屋口」を「裏口」と表現して客席をわかせた。

吉本によると、なべは新喜劇座員に就いたわけではなく「1人でしゃべるというより、新喜劇の中に入ってもらった方がいい」との協議から、この日の新喜劇出演が決定。川畑泰史座長(52)の出番に「死に神役」として登場した。

うどん店店主役の川畑座長に「余命宣告」をする設定で、黒いスーツで舞台に現れ、川畑に「人間、死ぬ気になれば何でもできる」などと伝え、思わず川畑も「うまいっ」。座長をうならせる間合いでからんだ。

終演後には、川畑座長、島田珠代、山田花子らと並び、舞台上で、祇園花月恒例の観客とのイベントにも出演。その場で川畑から「子供の時によう見てたんですけど、妙な事件がありましてね、ちょっと…」といじられ、なべはニンマリ。「今日ね、劇場へ来て、表から入ろうと思ってたら、こちらです-と案内されたのは裏口でした」と返し、観客から爆笑を奪った。

コメディアン志望だったなべは、水原弘、勝新太郎、ハナ肇らの付き人を経て、64年に日本テレビ系「シャボン玉ホリデー」でブレーク。以後も、日本テレビ系「ルックルックこんにちは」などで司会者としても活躍し、俳優としても人気を得た。ただ、91年に長男の受験騒動があり、01年には自動車事故。活動機会は激減していたが、その後、吉本に所属していた時期もあり、今回は吉本への復帰になる。

なべは、客席に向かい「5月1日付で所属いたしましたなべおさみです。新人でありますが、皆さんごひいきにしてください」とあいさつしていた。