映画「タロウのバカ」(大森立嗣監督、9月6日公開)の完成披露舞台あいさつを取材した。

同作で映画初出演にして初主演するYOSHI(16)。恥ずかしながら、その存在を知らなかった。この作品で脇を固めるのが菅田将暉(26)仲野太賀(26)という豪華布陣なのだ。

このYOSHIって一体何ものだ?

そんな疑問を胸に会場に入った。舞台あいさつで登壇したのは、ピンクのカーディガンにサングラスをかけた、いかにもチャラそうな高校生だった。大森監督を「たっちゃん」と呼び、菅田や大賀にもタメ口で話す姿はキャラかと思った。だが3人の言動からそうではないことがわかった。

「今どきの若者」とひとくくりにするのは失礼かもしれないが、おじさんにとっては、身近にいたら確実に注意するタイプだ(笑い)

そんなYOSHIを菅田は「スーパースター」と評価した。太賀も含め3人で初めて会った時は「絶句した」と口をそろえた。だが菅田は「真面目な話、この才能を生かすも殺すも俺ら次第だったから結構会議した」と話した。「このまま放っておきたいけど、そうしたら絶対事故に遭う。そんなことでこの才能が失われるのは嫌だから、何から教えるのか。初めてそんなこと考えた」と言わしめる存在だったのだ。

舞台あいさつでは「型にはまりたくないというか、自由にやりたいんだよね。翼を広げてどこにでも飛んで行くように」とやや調子づいた口調で話すYOSHIを、「そうできるように監督や周りの人間が調整してるんだよ!」と巻き舌で語気を強めたシーンもあった。だが、それも含めて菅田の本気度を感じた。

菅田にそこまで言わせるYOSHI。いやが応でも興味が湧く存在となった。