阪神は7日、広島戦(マツダ)に7―3で大勝。敗れれば自力でのCS進出が消滅する正念場の一戦で、打線が3回までに8安打を集中させ7点を挙げ、先発・西に7勝目をプレゼントした。

 序盤のビッグイニングを完成させたのは、今やチームに必要不可欠な存在に成長したドラフト1位ルーキーだ。

 3回、高山の3号3ランでリードを5点に広げると、一死一塁で登板した2番手・中田を攻め立てて二死満塁。ここで近本は3球目のストレートを中前へはじき返して2者を迎え入れ、早々に試合を決定づけた。

「いい流れで打席が回ってきたので、その流れに乗って積極的に振っていこうと思っていた」と振り返った近本は、これで今季140安打。高橋由伸(巨人)が1998年にマークしたセ・リーグ新人3位の記録に並んだ。長嶋茂雄(巨人)が保持するセ・リーグ記録の153安打(58年)まで残り16試合で13本と、61年ぶりの偉業達成も十分に射程圏内だ。

 それでも「自分は一日一日いいところでヒットを打つことだけを考えている。(安打の)本数というものは意識していない」。目指すのは自身の記録以上に、チームの勝利とその先にある逆転でのCS出場だ。

 この日の勝利で3位・広島とのゲーム差は再度2・5に縮まった。矢野監督は「今後も総力戦で戦っていく。ウチはもうそれしかない」と話した。