俳優の榎木孝明(63)、女優の櫻井淳子(46)らが14日、都内で行われた映画「みとりし」の舞台あいさつに登場した。

 医療行為はできないが、死期を迎えた人、見送る人双方をサポートする「看取り士」の物語。榎木は看取り士を、櫻井は3人の子を持つが、余命宣告された母親役をそれぞれ演じた。

 櫻井は難しい役どころだったが「(自身は)普段が健康。風邪をひかなければ、寝込むこともほとんどない」という。それだけに、病魔に侵された母親を演じても「監督に『声を張りすぎ』と注意された」と苦笑いして明かした。

 自身も長女(12)を育てるママであり、役柄と「だぶる」こともあった。それでも「撮影中は苦しかったけど、やり遂げた感があった」と充実した表情を浮かべた。

 榎木は看取り士の講座を実際に受けた。看取られる側の体験もしたそうで「逝くほうの感覚は心地よかったと言ったら変だけど、こういう死に方をすると(後世に)いいバトンができる(渡せる)なと感じた」と振り返った。