【現役放送作家X氏の芸能界マル秘ウラ話】芸能界では“いい人”しか残らないとよく言う。ときに心打たれるような人助けを目にすることがある。

 東京ダイナマイトの松田大輔とパンクブーブーの黒瀬純が後輩らを連れ、福岡で飲んでいた時のこと。「最後、飲めるラーメン屋みたいなところに行って。俺ら2人、めちゃくちゃ声がでかくて、酔っ払ってて。周りのお客さんからすごくクレームが来てて。それでも飲んでいたら、そこに急に華丸さん(博多華丸・大吉)が来てくれて、全部のテーブルに頭下げてくれたっていう。店長から電話が行って、僕らの代わりに『もう本当にすみません、ウチの後輩が』って頭下げてくれて」と松田は語り、感謝している。ちなみに松田と黒瀬はそのお店を出禁になったそうだ。

 テレビ東京のプロデューサー・佐久間宣行氏によると、俳優の中尾彬が困っている番組ADを助けたことがあるという。「とある歌手の人は、カンペがないと歌えないの。カンペを全部、ちゃんとカット割りの角度から出せ、みたいなことを言って。めちゃくちゃ言うわけよ。でも、無理じゃん。1カメ、2カメ、3カメ全部からカンペなんか出せない。めちゃめちゃ怒っている昔の歌手の方とか見て、うわ、これひどいなって思ってた時に、その歌手の人を中尾彬さんが、『お前、いい加減にしろ! 頑張ってんじゃねぇか、ADさんも』って。中尾さん、かっけえなぁって思った」という。

 出川哲朗も男気あふれている。ネプチューンの堀内健が出川の番組でロケをし、いつも通り、暴れまくりムチャクチャをやったところ、そのシーンがナレーションベースにされてしまったという。堀内によると「俺のために、帰り際、エレベーターが閉まる瞬間に『今日の編集、絶対俺は認めねぇからな』って。スタッフたちがエレベーターのところで顔が真っ青になって…」と振り返る。出川本人もこう語る。「ただ、俺は言わずにはいられないから。ちゃんと面白いものは面白い、つまんなかったらつまんなかったって認めるから。あのホリケンのロケは面白かったから。あれをナレーションベースにするのはどうですか?って私は提起したわけですよ。それが結果かどうかは分からないけど。でも、結局、恥をかくのは演者のほうだから。だから、こっちはケツまくれないよね」と堀内を思いやる出川だった。

☆現役放送作家X氏=1967年、東京・神楽坂生まれ。23歳でラジオ番組で放送作家デビュー。PTAから苦情が絶えない某人気バラエティー番組やドラマの脚本を手掛ける。