俳優石倉三郎(72)が17日、都内で、ショートムービー「気づかなくてごめんね」(犬童一利監督)完成発表会に出席した。犬童監督とは16年公開の映画「つむぐもの」以来3年ぶりのタッグ。

同作はヒアリングハラスメント・ゼロ推進委員会による啓発ムービー。聴力低下が認知症と誤認されるケースが多いことから、医療機関・介護施設などでの“聞こえ”への理解を訴える内容となっている。

同作で耳が遠くなったことで、自分の殻に閉じこもり、家族から認知症と誤認される役を演じる。「実際に聞こえなかったらと思うと、やっていて恐ろしかった」と振り返った。

同席した犬童監督は、同作のポイントに「気付き」を挙げた。「声は見えないので、映像化する際物語にして共感できる作品にしたかった」。また、石倉にオファーした理由を「一言もせりふがない役なので、これまで生きてきた背中や表情で話せる役者さんにやって欲しかった。『つむぐもの』でも口数少ない役をやってもらったので、石倉さんにお願いしました」と説明した。

石倉は「宣伝くさくなるから」と前置きしつつ、「いろんなメディアで流して欲しい。不幸な家族が減る。百聞は一見です。自分も明日はわが身ですので、ぜひ見て欲しいです」と訴えた。

同作は今日17日、動画サイト「ユーチューブ」などで公開される。