先ごろ名前を「亜門」から「亞門」に替えた宮本亞門氏(61)が19日、演出を手掛けるオペラ「蝶々夫人」(10月3日から東京文化会館大ホールほか)の通し稽古(都内)で、改名の理由を明かした。

 今年2月、医療特番出演のため人間ドックを受けたら前立腺がんと分かり、4月に公表、5月に手術し全摘出。この経験がやはりキッカケだった。

「名前も変えて気分も変えて、もう一回死にかけたんで、がんサバイバーとしてまだこれからもいつ再発するか分かんないけども、もうこうなったらね、恐れてる場合じゃないと。ハッキリ自分がやりたいことをもっと提示していこうっていう意思が強くなってしまって」

 聞けば「僕はリセットが大好きな人間で、毎回リセットをさせてもらって、次の一歩を行ける」んだそう。実は改名は今回が3回目。「宮本亜門」も芸名ではなく、もとの名前から替えた本名だった。「もしかしたらこの『亞門』も、いつか本名に替わるかもしれませんけど(笑い)」

 もともとは「演出家にそぐわない、気の弱い男」を自負していたが、「亜門」という強い名前に替えたことにより「自分がそれに追いついて、なんとか『宮本亜門』になった」という。そして今度はネットで「亞門」の字画を調べたら「うわぁ〜強いなこれは。強すぎるから大丈夫かな」とも思ったが、「あと(死ぬまで)何十年でしょ。いちいち謙虚なこと言ってられない」と改名を決めた。

 今月8日を改名日にした理由も面白い。「姓名判断の方に『いつがいいですか?』って聞いたんです。そしたら1年で3日間すっごい強い日があるらしく『これ(9月8日)は強いよ』って言われたんで、じゃあそこでいっちゃいましょうと」

 気になるのは体調。幸い「痛みとかは一切ない」そうだが「正直、今も(尿漏れ)パットはつけたまま」だ。「違う人間になったので、また(以前と)同じ状態に戻ったわけじゃなくて、前立腺を取ったってことは、大きく人生で、男性としての考え方を変えるんですよね。それもよしとして、今は」と亞門氏は胸を張った。