パ・リーグ連覇を果たしながら2年連続で日本シリーズ進出を逃した西武が来季の一軍投手コーチにOBの豊田清氏(48)を、外野守備走塁コーチに同じく小関竜也氏(43)を招聘することがわかった。

 豊田氏は1992年のドラフト3位で西武に入団。先発として2度の2桁勝利(97、99年)をマークし、9年目の2001年シーズン序盤から当時の東尾修監督に説得され守護神に転向。「ミスター・コントロール」と呼ばれた抜群の制球力で02、03年には当時のパ・リーグ記録となる38セーブを挙げ2年連続、最優秀救援投手に輝くなど一時代を築いた。

 その後、05年オフに巨人へFA移籍。3球団目となった広島で11年に現役引退後は12~18年まで巨人の一、二軍投手コーチとして指導者経験を積み今回、14年ぶりにコーチとして古巣復帰を果たすことになる。

 その豊田氏と同時期に西武に在籍していた小関氏は、94年のドラフト2位。走攻守、三拍子揃った外野手として松井稼頭央内野手(現二軍監督)と1、2番コンビを組んだ。守備では96年のデビューから658連続守備機会無失策をマークし、これは当時のパ・リーグ外野手記録だ。豊田氏と同じく14年ぶりの西武復帰を果たす小関氏は、このオフにメジャー挑戦を念頭にFA移籍を模索する秋山の後継者づくりに当たることになる。

 また、ファーム・育成部門の投手強化に同じくOBの広島・青木勇人三軍投手コーチ(42)を招聘することで調整を図っている。00年から6年間の西武在籍後、06年開幕前に福地との交換トレードで広島へ移籍、現役引退後は広島の三軍投手コーチとして若手投手育成に当たってきた。

 編成責任者・渡辺久信GM(54)はもちろん、辻発彦監督(60)、松井稼頭央二軍監督(43)もそうであるように、一度外に出て選手、指導者経験を積んだOBの回帰路線がより強まる人事となりそうだ。