西武は25日、埼玉・所沢の球団事務所で来季のコーチ人事を発表。合わせて豊田清一軍投手(48)、小関竜也一軍外野守備・走塁(43)、青木勇人三軍投手(42)の新任3コーチの就任会見を行った。

 2005年オフに巨人へFA移籍しながら14年ぶりにコーチとして古巣復帰した豊田コーチは「まさかこういうご縁があるとは思わなかった。(FA移籍した)当時はその(退路を断つ)覚悟で現役生活を全うしようと思った。ただ、やはり月日がたつとまた気持ちも変わってくる。移籍してからライオンズのことは気にしていた」と今回の人事に感謝。

 その上で2年連続チーム防御率最下位からの立て直しに「近年のライオンズは打ち勝つチームですが、もともとライオンズといえば投手力。先発、抑えがしっかりしていたチーム。若い投手がたくさんいますから、その投手を一本立ちさせて、投手力で勝ったというチームにもしていきたい」と投手王国再建への意欲を語った。

 近年の課題である投手陣の整備に関してはこの2年で状況が悪化。チームは強力打線の援護をバックにパ・リーグ連覇こそ果たしたものの昨年、チーム防御率が10年(4・19)以来となる4点台(4・24)に落ち込むとエース・菊池の抜けた今季はさらに4・35と昨年を下回った。

 今季、8年ぶりに現場復帰した小野和義投手コーチ(53)はそのポジションによる心労から体重を最大8キロ減少させ「オレが責任を取る」と1年で辞任。昨年の土肥元コーチ(現編成グループ、プロ担当兼国際業務部)に続きチーフ格の投手コーチが立て続けに交代する優勝チームらしからぬ非常事態が続いている。

 チーム内では「この主要ポジションが落ち着かなければ投手陣の再建もありえない」との声も。来季、チーフに昇格する西口文也投手コーチ(47)と同時期に「エースと守護神」の関係だったブルペン担当の豊田コーチがどのような手腕を発揮するのか注目される。