なべおさみ(76)が18日、東京・八重洲ブックセンターで著書「昭和の怪物 裏も表も芸能界」の刊行記念トークショーを行った。高倉健さんや森繁久弥さん、ソニー創業者の盛田昭夫氏など芸能界や政財界の大物との交流や、その裏側を書いている。

 なべは今月亡くなった野坂昭如さん(享年85)や安藤昇さん(享年89)とも交流があった。9日に亡くなった野坂さんは、タレントになる前に放送作家三木鶏郎氏主宰の作家集団「冗談工房」にいた時の先輩。「四谷の暗いアパートで、いろいろ教えてくれた。暗い中でもサングラスをかけていた」としのんだ。

 16日に亡くなった安藤さんは、暴力団組長から俳優に転じた。なべが昨年、著書「やくざと芸能と 私の愛した日本人」を出版した時に電話があったという。「『うれしいね、お前』って言ってくれた。安藤さんは20冊買って『俺のサインを入れて配るよ』って言っていた」と笑顔で振り返った。

 なべは「私が書いたものは、きれいな花。土を耕したり、肥料をやったり、見えない部分にいろいろある。七面倒くさい部分は、読み飛ばしてください」。会場には24年前に明大替え玉受験で世間を騒がせ、なべがタレント活動を自粛することになった息子のタレントなべやかん(45)が駆けつけた。「大学(受験)の時は『大船に乗った気でいろ』って言われたんだけど、乗ったら泥舟でした」と笑わせた。