天皇陛下の即位に伴う「祝賀御列の儀」が10日、行われた。天皇皇后両陛下は皇居から赤坂御所まで約4・6キロの道のりをオープンカーに乗って進み、沿道に集まった多くの人々に手を振って応えられた。

 めでたい日にふさわしい快晴だった。当初は「即位礼正殿の儀」に続いて10月22日に行われる予定だったが、台風19号の被害を考慮して延期されていた。両陛下にとっては1993年6月の結婚以来のパレードとなる。

 天皇陛下はえんび服、皇后陛下は白のロングドレスにティアラを着け、トヨタのセンチュリーを改造したオープンカーの後部座席に乗られた。両陛下の車列は警備車両を含めて46台におよび、時速約10キロのスピードで皇居正門、警視庁や国会議事堂正門前などを通って、住まいの赤坂御所に約30分後に到着した。

 コースや周辺の警備も警察の“総力戦”となった。警視庁は警視総監をトップとする最高警備本部を設置、全国からの応援を含めた約2万6000人の警察官が投入された。周囲のコインロッカーは全て利用制限。コースや周辺は交通規制が実施され、コース沿道にはどこを見ても警察官が立っている状態で、目を光らせていた。

 祝福に集まった観覧客に対しても29地点、40か所で入念な手荷物検査が実施された。検査は3段階で、カバンの中身のチェック、男女の警察官によるボディーチェック、金属探知機のチェックとなる。100円ライターは廃棄が指示され、飲み物も缶・瓶は持ち込み禁止。ペットボトルと水筒の飲み物は持ち込めたが、警察官の前で一口飲む必要があった。

 両陛下を乗せたオープンカーが近づくと、観覧客は日の丸の手旗を振り、お姿を撮影しようとスマートフォンを向けた。皇后陛下は人々の祝福を受けて、涙ぐむ様子も見られた。

 5月の陛下の即位から続いた国事行為としての「即位の礼」の一連の儀式は今回で終わった。14、15日に皇位継承の重要祭祀「大嘗祭」などの行事が控える。