「昭和の歌姫」として愛された美空ひばりさんが最新のAI技術でよみがえり、30年ぶりに新曲「あれから」が発売されることになった。

 新曲は9月に放送された「NHKスペシャル AIでよみがえる美空ひばり」内の企画から生まれたもの。ひばりさんの生前最後のシングル「川の流れのように」を手掛けた秋元康氏が作詞・プロデュースし、今年のNHK紅白歌合戦でも披露されることになっている。27日には「あれから―NHKスペシャル・バージョン―」が配信開始。12月18日にはCDが発売されることが決まった。

 番組では、ひばりさんの過去の膨大な音声データから、ヤマハ株式会社が開発を進めている最新のAI技術で、ひばりさんの声を現代によみがえらせ、“AI美空ひばり”として新曲を歌唱している。もともと「あれから」はCD化される予定ではなかったが、番組での反響が大きく、楽曲の完成度がとても高かったことから、CDとしての発売が決定した。

 ひばりプロダクション社長の加藤和也氏は今回の発売に「多くの人に美空ひばりの新曲という形を聴いてもらえることは感慨もひとしおです。美空ひばりはこの世には戻りませんが、最先端の技術で、ここまで空いた隙間の時間を埋めてもらえる、AIの素晴らしい側面を感じさせていただきました」とコメント。

 また、秋元氏は「もう一度会いたいという皆さんの思いを、一夜だけの夢として企画したものですが、『あれから』は美空ひばりさんが僕たちにくださった『これから』なのかもしれません」とコメントした。