フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第6戦NHK杯(札幌市・真駒内セキスイハイムアイスアリーナ)の女子フリーが23日に行われ、前日のショートプログラム(SP)で2位だった前年覇者・紀平梨花(17=関大KFSC)は151・95点をマークし、合計231・84点で2位だった。SP世界最高で1位発進のアリョーナ・コストルナヤ(16=ロシア)が合計240・00点で優勝。これによりGPシリーズ全6戦をロシア勢が独占した。

 逆転Vを狙う紀平は注目の4回転を直前で回避。宿舎から会場へのバスの中では「まだ迷っていた」というが、6分間練習の前に浜田美栄コーチ(60)との会話の中で「確実にファイナルを狙おう。3回転でいこう」とミスのない演技を目指すことを決断したという。

 その冒頭の3回転サルコーをはじめ、2つのトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を成功。後半の連続ジャンプも立て続けに着氷させ、最後は渾身のガッツポーズを見せた。

 演技が終わると「集中できていい演技ができた。自己ベストに近い点が出てうれしい」と笑顔を見せたが、この日、圧倒的な強さで優勝したコストルナヤには「トリプルアクセルはもちろんすごいし、コンビネーションで加点がつく。安定感がある」と白旗を掲げた。2年連続のGPファイナル出場を決めたが「昨年の演技をしても優勝には届かないと思う。もっと厳しい戦いになる」と過酷な状況を覚悟している。その上で「ファイナルでは完璧な演技を目指したい」と決意を口にした。