NMB48新エースの1人、太田夢莉(ゆうり、19)が25日、神戸・ワールド記念ホールで卒業コンサートを行い、親交のあるAKB48岡田奈々(23)も飛び入り出演した。

ともにショートヘアで、「似ている」との評判から太田が岡田を慕い、交友を深めてきた。2人で「ショートカットの夏」をデュエット。岡田は「すごい大盛り上がりに出させてもらって、うれしいです」と言い、太田と握手した。

太田は11年12月に3期生として加入。グループ創設時の両輪だったOG山本彩、渡辺美優紀がそろって「将来のエース」と期待した逸材だった。昨秋、山本の卒業後、新生なったグループの新エースの1人として活躍してきた。だが、12月に20歳の誕生日を迎えるのを前に、アイドル活動に終止符を打つことを決めた。

この日のコンサートでは、互いを「信友(しんゆう)」と呼び合う谷川愛梨(23)と、グループ定番の“卒業”ソングのひとつ「友達」を号泣しながら歌う場面もあった。「友達」は、創設時のNMB48を山本、渡辺とともにけん引したフロントメンバー、山田菜々が卒業時に山本と歌ったデュエット曲。太田は1期先輩の谷川を相手に選んだ。

太田は「すごく似ていると思って、この曲を愛梨ちゃんとやりたかった」と話すと、谷川に抱きつき、涙ながらに抱擁を続けた。

吉田朱里、村瀬紗英、渋谷凪咲と組む「Queentet」でのナンバーも披露。電撃卒業したOG須藤凜々花の客席での姿がスクリーンに映し出され、客席がわく瞬間もあった。

アンコール後は、和風ドレスで登場。20歳を前に卒業することを伝え「一足早く、成人式みたいに作ってもらいました」と衣装の意味を説明した。

おおよそ8000人収容のワールド記念ホールでの卒業コンサートは、16年7月のOG渡辺美優紀以来と。太田は「ずっと、卒業コンサートをしたいと思っていて、それは、渡辺美優紀さんの卒業コンサートがここであってから。いつか私も卒業コンサートができるようにと思って、やってきました」と満願成就での旅立ちに感謝した。

初センターを務めた最新シングル「初恋至上主義」や、同シングル収録の初ソロ曲も歌いつつも「いまだに卒業の実感がなくて、皆さんもそうじゃないか…」とポツリ。王道アイドルのルックスとは裏腹に、性格的にはサバサバしており「アイドルには向いてなかった」とも振り返った。

約8年に及ぶグループ活動に「アイドルをやっていたおかげで、皆さんに出会えて、本当によかった」とファンに感謝していた。