スティーブン・キングのホラー小説を映画化した「シャイニング」の40年後を描く。米コロラド州、ロッキー山脈にある雪山のホテルで血の惨劇を生き延び、大人になったダニー(ユアン・マクレガー)の周りで、不可解な児童連続殺人事件が起きる。

前作は数あるホラーの中でも、映像の美しさ、恐ろしさが突出していたが、続編は「新たな恐怖」が観客を震え上がらせる。子どものころから強力なシャイニング(かがやき)という特別な力を持っていたダニーは、少年時代の悪夢にうなされ、父と同じくアルコール依存症になり、社会の片隅で暮らしていた。

ダニーは自分よりも強いシャイニングを持つ少女アブラ(カイリー・カラン)と出会い、子どもたちを殺し、その「かがやき」をむさぼる集団と戦う決意を固める。戦いの過程で、過去や恐怖に立ち向かう姿は怖さを忘れて、共感した。

ホテルでの集団のボスとの最終決戦は、いささか不自然な流れではあるが、不気味さは健在。廊下にたたずむ双子の姉妹、浴槽から起き上がる腐乱した老婦人…。「ドクッ、ドクッ」。演出音とともに心拍数がマックスになった。【松浦隆司】

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