先月11日に死去した平川幸男さん(享年78)と漫才コンビ「Wヤング」を組んでいた佐藤武志(65)が3日、吉本新喜劇に再入団し、大阪市のなんばグランド花月で行われた公演に出演した。

 佐藤は1973年に吉本新喜劇に入団。84年に平川さんからオファーを受けて「Wヤング」を結成し、新喜劇を退団した。

 新喜劇座員として35年ぶりとなる舞台に、「花月商事」の取引先の秘書役で登場。「緊張やないけど、変な気分ですね。73年の初舞台と84年の新喜劇から漫才に行った時の一発目、それと今日。力入ったらアカンとかいろいろ葛藤しながら演じました。ベテランばっかりやったら、落ち着いてたと思うんやけどね」と話した。

 それでも、舞台上では妻で新喜劇女優の浅香あき恵(63)を壁に投げ飛ばすなど、存在感たっぷりの“キレ芸”を披露。「久しぶりにやると息が上がりましたね。昔は細かったけど重たくなってましたね」と苦笑したが、浅香は「怖いだけでした。ケガさせられたらどうしようとか。でも、初日でセリフもたくさん頂いたんですけど、自分の緊張よりも、この人(佐藤)が出てくるときの方が緊張した。娘の発表会を見てるみたいだった。これからは同じ仕事なので、本読みの読み合わせとかできるんじゃないかとうれしい」とのろけた。

 新喜劇への復帰について、佐藤は「4~5月くらいから相方がいろいろありましたからね。悩みましたけど、最終的には古巣に戻るのが一番ええかと。8月くらいに決めました」。平川さんに特に相談はしなかったそうだが「そうなるとは思ってはったでしょう。『テレビ見せてくれよ』とは言うてましたけどね」としみじみと明かした。

 今後の目標については「今の若い子らも素晴らしいので、僕らの昭和の終わりを交ぜながら、桑原和男の83歳を目標にやっていきたい」と意気込んだ。