【マーティ&KissBee 昭和・平成ソングって素敵じゃん】昭和生まれのアラフォー~アラ還が懐かしむ日本の歌手や楽曲を、平成生まれ世代や外国生まれのミュージシャンはどう聴くのか? ユーチューバーアイドル、KissBeeの谷藤海咲(20)とマーティ・フリードマンが、谷藤が好きなBOOWYについて語ります。親子2代にわたるファンが多い理由とは? そして音楽と思い出の関係とは? 曲を聴きながら読んでみてください。

【BOOWY論(1)】

 ――今回は谷藤さんが好きなバンドとして挙げた「BOOWY」について語りましょう。マーティさんは以前からずっと、布袋(寅泰)さんのギタープレーを絶賛しています

 マーティ 布袋さん大好きです。めちゃくちゃ尊敬しています。音に個性があって、聴いた瞬間に布袋さんだ!とわかるじゃん。ギタリストはみんなそれを目指しますが、世界にそういう人、何人いますか? 僕がやってきた音楽とは方向性が違うけど、素晴らしいギタリストです。

 ――BOOWYが活動したのは1981~88年。マーティさんが日本の音楽に興味を持つ前に解散してます

 マーティ 聴き始めたのは布袋さんがソロになってからですが、彼のプレーはBOOWYの時もソロになってからもかっこいいです。男らしく、自信を持って、常に弦を強く叩くじゃん。あの姿勢、ギターに対する魂が、個人的に大好きです。

 ――谷藤さんが生まれるだいぶ前に解散してます。聴くきっかけは

 谷藤 母の影響です。普段は幅広く聴いているのですが、私が生まれる前の音楽では、BOOWYが一番好きです。ベースを始めて、最初に弾いたのが「CLOUDY HEART(クラウディ・ハート)」でした。

 ――お母さんはおいくつですか

 谷藤 50歳です。

 ――完全に直撃世代だ。同世代は聴いたことない人ばかりでしょ

 谷藤 カラオケで歌うと、全然知らない感じで、でも「いつの曲?」「いい曲だね」とみんな言ってくれます。

 ――好きな曲として他に「ONLY YOU」と「Marionette」を挙げています

 谷藤 かっこいいですよね~。母が「学生時代に聴いてたんだよ」と教えてくれた曲です。今も一緒にカラオケに行くと歌ってます。母は今の曲はほとんど歌わず、青春時代の曲ばかり歌っていて、その中で私も好きになりました。

 マーティ すてきな思い出ですね。曲のイメージに特別な光が入ってるじゃん。その独特の経験が大事なんですよ。どんな曲も、自分の思い出とくっついて頭に残るんです。すてきなお母さまと歌うから、いい思い出として、いいイメージと一緒に曲も頭に残ります。

 ――なるほど、こういう形でBOOWY愛が親から子へと、世代を超えて受け継がれるんですね。ちなみにマーティさんは、BOOWYがブレークした86年当時、どんな活動をしてましたか

 マーティ ハワイというバンドを辞めてカコフォニーでデビューする前、サンフランシスコに拠点を移したころですね。自分の音楽を作ろうと苦労してて、ホームレスの時もあったハードな時代だから、楽しい思い出がないです。僕は80年代のシンセを多用した音楽が好きじゃなかったんですよ。心はロッカーだから生楽器が好きで、「シンセばかり使いやがって」って。その後、日本に来て、いい思い出とつながる曲がいっぱいあります。

 ――音楽は聴いた時の風景、状況とセットで記憶に残る。言われてみれば確かにそうです。マーティさんは2015年にAKB48グループのステージで「ONLY YOU」を弾きました

 マーティ 僕はステージに出る前にちょっと聴いて演奏して終わりだったから、あまり曲の印象が残らなかったです。思い出が浅かったんですよ。

 ――ではもう一曲の「Marionette」を聴いてみましょう

 マーティ イントロからギターがかっこいいじゃん。発売された当時は、相当かっこ良く聞こえたんじゃないですか。布袋さんの存在感が間違いないです。

 ――次回は楽曲について語っていきます

☆たにふじ・みさき=1999年9月22日生まれ。東京都出身。2015年8月からアイドルグループKissBeeの正規メンバーに。KissBeeは14年結成。現在はユーチューブチャンネル「URA―KiSS」を軸にユーチューバーとしても活躍。「Yahoo!検索大賞2018」で「アイドル篇 ネクストブレイクアイドル」受賞。

☆マーティ・フリードマン=米・ワシントンDC出身のギタリスト。1990年から2000年までメガデスに在籍。04年から拠点を日本に移し幅広いジャンルで活躍。