“左×左”の是非は? 卓球の2020年東京五輪団体戦のメンバー選考が大詰めを迎えている。男子は張本智和(16=木下グループ)、丹羽孝希(25=スヴェンソン)がシングルス代表を確実にしており、残り1枠を日本協会強化本部が来年1月6日に発表する。

 張本が連覇を達成したジャパントップ12大会の視察に訪れた日本代表の倉嶋洋介監督(43)は「(23日に開く1回目の選考会議で)ある程度の案が出されると思うので、あとは審議したり、決めていくということ」と話し「(自身は)ある程度、心の中では整理はしている」と明言した。

 そうした中で、団体戦メンバーの最有力候補はリオ五輪シングルス銅メダルの水谷隼(30=木下グループ)だろう。出場予定だったジャパントップ12は腰痛のため欠場したが「2週間の安静とリハビリが必要」(倉嶋監督)と、長期間プレーができない状態ではない。視力に不安を抱えているとはいえ、これまでの実績を考えれば間違いなく必要な戦力になる。

 気になるのが団体戦での起用法だ。五輪ではダブルス1試合、シングルス4試合で勝敗を決めるため、張本がシングルス2試合に出場した場合、丹羽と水谷の左利き同士でダブルスを組むことになる。もともとサウスポーが少なく、左利きペアは珍しいケースだが、日本協会関係者は「確かに異質な組み合わせではあるけど、左利き同士が成立しないわけではない」と指摘した。

 実際に全日本選手権では渡辺武弘、斎藤清の左利きコンビが1982年から男子4連覇を達成。シドニー五輪男子ダブルスで銅メダルを獲得したジャンフィリップ・ガシアン、パトリック・シラ組(フランス)はいずれもサウスポーだった。

 丹羽、水谷ペアはワールドツアー・香港オープンで一度だけ組まれ、予選で敗退した。「トップ級の選手の中に左利きが複数人いれば起こりうること。あとは相性や練習でどうなるか」(同関係者)。実現すればどんな化学反応が起こるのか。