「寿初春大歌舞伎」が3日、大阪松竹座で初日を迎え、腰のケガで休演した人間国宝で歌舞伎俳優の坂田藤十郎(88)の代役を、次男の中村扇雀(59)が務めた。

扇雀は昼の部の「酒屋」で、酒屋の息子である半七の妻「お園」と、半七の子を生み、藤十郎が演じる予定だった女舞の芸人「美濃屋三勝」を演じた。半七役は兄の中村鴈治郎(60)が務めた。

昨年12月に行われた取材会で、扇雀は「親子の共演も、もうそうそう何百回ってないんで、父との共演の喜びをお客様にも伝えられたら」と意気込みを語っていたが、親子での共演は実現できなかった。

配役変更となり、扇雀は初日から千秋楽まで三勝役を務める。

昼の部では「九十九折」と「大津絵道成寺」も上演された。「九十九折」では、かつての恋人と再会したが別れ、そっくりな芸妓(げいこ)に出会う清七を松本幸四郎(46)が、「大津絵道成寺」では片岡愛之助(47)が藤娘から鬼まで5役を演じた。