【カンザス州ウィチタ20日(日本時間21日)発】WWEのロウ大会が開催され、6日後に迫ったPPV大会「ロイヤルランブル(RR)」(26日、テキサス州ヒューストン)のロウ女子王座戦に向け、WWE女子タッグ王者の女帝アスカ(39=華名)がまたしても王者を完全KO。2冠王に王手をかけた。

 王者の“ザ・マン”ことベッキー・リンチ(32)は、カード決定直後から毎週毎週アスカの緑色の毒霧噴射を浴び、ハナ肇の銅像のような醜態をさらし続けている。決戦前最後のロウ大会とあって、ベッキーは気合十分でセミファイナルのリングに上がり、アスカと王座を保持するカイリ・セイン(31=宝城カイリ)と対戦した。

 もちろんカイリには入場時からアスカが帯同。あからさまな1対2ハンディ戦の感は否めなかった。何とアスカは図々しくも赤コーナー上に座り込んで戦況を見守り、相棒に指示を与える。王者は人を食ったような海賊姫の態度に激怒すると顔面パンチ一撃。場外に落とすも、アスカに気をとられて追撃の一打を加えられない。そのスキにカイリが背後から竹刀で殴打するなど、開始からカブキ・ウォリアーズが試合を支配した。

 リングに戻るとカイリがクロスアーム式フェースロックで王者を捕獲。それでもカリスマが孤軍奮闘する。ワンツー、ラリアート連打を見舞うとカイリのフライングエルボーにも耐え抜いた。

 ベッキーはリバースDDT、ギロチンドロップでペースを奪うと、三角蹴りから場外へのエルボーの波状攻撃。さらには赤コーナー上のアスカを場外に突き落とすと、間髪入れずにべクスプロイダーから必殺のディスアーマー(腕固め)でカイリからタップを奪った。

 しかし怒ったアスカがゴング後に王者をまたもや襲撃。アスカロックで失神させると豪快なバズソーキックで完全KOしてしまった。大の字のカリスマを見下してバックステージに戻ったアスカは「何や、あいつ。毎回毎回みっともないな。ベッキーはイージーなんや。ロイヤルランブルを見とけ。ベッキー・リンチはアスカ様にかなわんのじゃ!」と絶叫。カイリも「ベッキーが姉さんに勝てるわけねえだろ、バーカ!」と高笑いを決め込んだ。

 もはや王座奪取は規定路線のようなアスカの快進撃だが、ベッキーは昨年の「RR」でアスカにスマックダウン女子王座を奪われながらも、3試合後の女子RR戦(30人参加)に緊急出陣。最後は怨敵の女王様シャーロット・フレアー(33)を突き落としてRR優勝の離れ業を演じている。追い込まれた時こそ本領を発揮してきたカリスマの反撃はなるのか。注目だ。

 またメインではセス・ロリンズ(33)、バディ・マーフィー(31)組がバイキングレイダーズ(エリック、アイバー)を撃破して、新ロウタッグ王者となった。

「ロイヤルランブル」は日本時間27日、WWEネットワークで生配信(日本語実況版あり)される。