BOOWY、ZIGGY、リンドバーグなどを手掛けた伝説の音楽プロデューサーが、デジタル画家に転身した。

 1980年代から90年代にかけて、楽曲が700億円を売り上げたヒットメーカーの月光恵亮(つきみつ・けいすけ)氏(67)が、デジタルアーティストの「Case―K Moonshine」名義で、24日に都内で1日のみの個展を行った。

 難聴を患った月光氏は音楽プロデューサーを卒業。後は若手ギタリストの西野匠氏に任せ、デジタルアーティストとしての一歩を踏み出した。

 音楽関係者は「世界的なメタルバンド・LOUDNESSの初期のアルバムなどのアートディレクションにも携わっていた月光氏は、音楽プロデューサーとして頭角を現す前から絵の才能を発揮していました。センスある天才が表現手段を音楽から絵に変えただけでしょう」と語る。

 月光氏がタブレットで描いたデジタルアート作品をSNSに投稿していたところ、注目を集め、個展の開催となった。

 月光氏は「デジタルアートを通して、少しでも多くの人たちに希望が湧くような作品を作りたいと思っています。一人の人間ができることは限られています。そして人生も限りがあるからこそ、その命をいとおしく思え、強く生きたいと思えるのだと。ありがたいことに、世界中のギャラリーやアーティストからコンタクトを頂いています。国内でも大阪、京都など数か所からオファーを頂いているので、順次開催すると思います」と話す。

 月光氏は阿久悠さん、井上大輔さんらに師事した後に、音楽制作会社ビーイングの創設メンバーとして副社長に就任。その後、パブリック・イメージを設立。2017年6月に覚醒剤使用の容疑で逮捕され、懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決が下された。逮捕当時、氷室京介の命名者など、過去の実績が枕ことばとして報じられ「多くのアーティストに迷惑をかけた」と月光氏は深く反省している。

 伝説のヒットメーカーが新しい一歩を踏み出した。