「NGT48」の元メンバー・山口真帆(24)への暴行事件をめぐり、暴行容疑で逮捕(不起訴)された男性ファン2人に対して運営会社・AKSが損害賠償を求めた裁判の弁論準備手続きが27日、新潟地裁で行われ、次回4月8日の弁論準備手続きでAKSと被告側との和解が成立する可能性が高いことが分かった。

 前回2日の弁論準備手続きで、地裁が両者に初めて和解の検討を促し、原告のAKS側は被告の男性ファン2人を証人申請する意向を伝え、和解については「留保する」と回答。一方、被告側は前向きに和解を検討する姿勢を示していた。

 この日、AKS側の代理人である遠藤和宏弁護士が取材に対応し「和解の交渉をさせていただくと同時に、原告と被告双方から証人申請をさせていただいた」と報告。証人尋問をして判決に至るという可能性は残されているものの、遠藤弁護士は「裁判外でも和解の交渉をさせていただいている。(原告、被告の)双方が和解の話し合いの土俵に乗っているということは、双方が和解を積極的に検討しているということの表れかと思います」と明かした。

 和解の向けた話し合いを進めている理由を聞かれると「裁判所から和解の提案があったのもありますし、今までの準備書面等のやりとりで被告の主張は出尽くしているなという印象もある。(主張に対する)客観的な事実が出てこない部分はあるが、真実発見の見地からはある程度、他のメンバーが本件に関与していなかったと、身の潔白は証明できたと一定程度の成果はあった」とした。

 次回期日(4月8日)までの間が10日ほどと近いことで和解の可能性は高い。遠藤弁護士はあくまで「原告、被告とも和解か、判決かは両にらみで進めている」と話しているが、裁判外で被告側と協議した和解案を近く地裁に提出する予定で、進展をうかがわせた。

 今回の裁判ではAKS側は事件の真相究明を目的とし、遠藤弁護士も「私どもとしては公開法廷で事実を白日の下にさらしたい」と語ったが、証人尋問を含め公開されることはかなわず、和解となる公算は大きい。

 遠藤弁護士は「確たる客観的な証拠は出てきてないが、証人尋問をやっても出てくるかどうかは分からない。争いごとは長く続けるものべきではないという考え方も一般論としてはあるとも思う」と述べた。

 和解成立した場合、被害者である山口側に意見を求めるなどの連絡については、「私の立場からは考えておりませんが、会社(AKS)がどう考えるかは分からない。現状では聞いていない」と話した。