出演本数351本、売上本数1000万本超という金字塔を打ち立て、昨年3月に引退したレジェンド女優・吉沢明歩(36)がこのほど、自伝「単体女優」(光文社)を上梓した。アダルト界に16年をささげた吉沢のプロフェッショナル精神とは何なのか。そして業界への提言とは? スマイル全開で本紙の単独インタビューに応じてくれた。

 ――引退から1年。なぜこのタイミングで自伝を書いた?

 吉沢:引退するまでは月2回の撮影がず~っと続いて忙しくて、(引退して)やっと自分の時間ができました。料理教室に通ったり、好きな映画を見たり、ワンコと散歩したりと楽しんでたんですが、半年すぎて改めて自分自身を振り返ってみたら、お伝えしたいことがあるな、と思って書きはじめました。

 ――デビュー当時から大学ノートに日記をつけていた

 吉沢:はい。(事務所の)社長が「書いておいた方がいい」と言ってくれて、つけていた日記を初めて読み返したんですけど、『この業界のトップになりたい』みたいなことばかり書いてあって、正直、気持ち悪いくらいでした(笑い)。

 ――入れ替わりが激しい業界で16年間も第一線を走り続けたのは奇跡。どう受け止めてる?

 吉沢:自分のことなんだけど信じられない。だって、生まれた赤ちゃんが高校生になるまでやってたってことですもんね(笑い)。自分の生真面目さがあったから続けられたと思いますけど、辞めようと思ったことだって3回はありましたね。

 ――その困難をどう乗り越えてきたのか

 吉沢:本当にファンのおかげです。それこそ作品の内容で落ち込んだりすることもあったのですが、週末のイベントでファンの方にお会いするとキラキラした笑顔が見られて、この人たちのために私がやれることをやろう、って力をもらいました。

 ――一方で「生」「中出し」「レズ」「アナル」はNG。ブレずに守り続けたのもすごい

 吉沢:自分が受け入れられないものをやってしまったら、精神的な何かが壊れてしまうと思って…。私は『アリスJAPAN』さんと『マックス・エー』さんというレンタルの大手メーカー2社専属でデビューして、途中から『マキシング』さんと『S1』さんのセルビデオメーカーさんに移籍しましたけど、セックスの見せ方は時代によって変わるんだなと思いました。だから「私のNGをやって」と言われたときが引退だろうなぁと。

 ――違法アップロードされた作品を無料で見る不届き者も少なくない

 吉沢:はい。好きな女のコに幸せをもらいたいなら、応援の意味でもおカネを落としてほしいなとは思います。実際、イベントにいらしてくれる方も10年前に比べたら減ってますし、若い人が少ない。(出演強要問題で)女優の立場は一番守られるようになってますが、撮影が2日撮りから1日撮りが当たり前になって、業界がこの先どうなっていくのか不安はありました。ただ、より過激なものを…となると女優に負担がかかってしまいますから、過激だけじゃない違う見せ方をって思います。だからファンだけじゃなくセクシー女優をやってみたいと思っている女のコにも、自伝を読んでもらいたい。

 ――自伝では親バレや恋愛といったプライベートについても赤裸々に書いた

 吉沢:書くことで、心まで裸になった気がします。4人目の彼氏と別れてからずっといなくて、最後にセックスしたのが、パイパンで挑んだ引退作の3P…。女性として本当にヤバいと思ってます(笑い)。でも(彼氏が)いなければいないで1人でシています。

 ――これから先はどんな活動を

 吉沢:5月に舞台に出演する予定だったのですが、新型コロナの影響で公演が延期になってしまいました。いつか海外の旅先でユーチューブ番組をやってみたいなという気持ちもありますが、今はみなさんが心穏やかに落ち着いて過ごせる日が来ることを願ってます。

☆よしざわ・あきほ=1984年3月3日、東京都生まれ。身長161センチ。2003年にアダルトデビュー。05年にテレビドラマ「嬢王」に出演。08年から「恵比寿マスカッツ」の初代メンバーなど多方面で活躍。19年3月末にアダルト卒業。出演本数351本、売上総本数1000万超など単体女優として日本トップの記録を持つ。