元TBSのフリーアナウンサー小島一慶(こじま・いっけい、本名かずよし)さんが23日、肺がんのために都内の病院で亡くなっていたことが26日、分かった。75歳だった。

元TBSの後輩のフリーアナウンサー生島ヒロシ(69)が、ありし日の小島さんをしのんだ。

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昨日の深夜に聞きました。75年に僕が入社した当時のTBSの男性アナウンサーには、一慶さんの1期上に林美雄さん、久米宏さんがいましたが、人気は一慶さんが一番でした。その後、久米さんが「ザ・ベストテン」の司会でブレークしましたが、2人には絆がありました。

一慶さんは豪快で、いわゆる「飲む、打つ、買う」の人でした。たばこもすごく吸っていました。僕にとっては遠い存在で、憧れた人でした。アナウンス室でたまに会えても、アッという間に来て、パパッと消える人でした。時々、アドバイスをくれたけど、細かいことは言わない人でした。

僕が入社試験を受けた時の、2次だか3次の面接官の中に一慶さんがいました。どういう人を番組ゲストに呼んでインタビューしたいかという質問で、僕は第2次世界大戦後の数々の大型倒産で管財人を務め「会社再建の神様」と呼ばれた早川種三さんの名前を挙げました。他の人はスポーツ選手やアイドルの名前を挙げているのにです。

いわゆる芸能アナの採用なので、誰もその後の質問が続かない。でも、一慶さんはインタビューの達人だから「なんで、この人がいいんだ」と。「駄目な会社を立て直したのがすごい」と答えました。そしたら「次にインタビューしたい人は」とたたみ込んできて、何も考えていなかったんだけど「野坂昭如さん」と答えました。普通は、そんなに聞いてこないんだけどね(笑い)。僕のそういうところを一慶さんが面白いと思って、気に入ってくれたんじゃないかな。

TBS時代は一慶さんの後番組をやることも多かったんです。一慶さんは「お前らしくやれ。お前は小島一慶にはなれない。生島ヒロシらしく、自由に楽しんでやれ」と言ってくれました。

豪快に遊び、豪快に仕事をして、格好よかった。最近は品行方正になったと聞いていたんですけどね。残念です。ありがとうございました。ご冥福をお祈りします。