新型コロナウイルスによるパンデミックの影響で公演やレコーディングなど、ほぼ全ての活動が停止した米音楽業界では、大物歌手からラッパーまで、数多くのアーティストが様々なチャリティーを展開している。

 米音楽誌「ビルボード」によると、カントリーミュージックの大御所ドリー・パートンは100万ドル(約1億600万円)を新型コロナ治療薬の開発を急ぐ地元ナッシュビルの大学に募金。同じくカントリーの長老ウィリー・ネルソンは、オンライン公演を通じて集めた50万ドル(約5300万円)をパンデミックで出荷ができなくなった農家や酪農家支援のために寄付した。

 ヘビメタバンド「メタリカ」は、5月をチャリティー月間とし、同バンドが設立した基金が支援する救援団体のため、ファンに募金を呼びかけている。また、バンドの関連グッズの収益を寄付することも発表した。

 一方、不法逮捕の被害者をなくすことなどを目的にラッパーのジェイ・Zやミーク・ミルらが結成した団体「REFORMアライアンス」は、刑務所や矯正施設の職員と収容者のため、130万枚のマスクを配布した。この団体には歌手マドンナもマスク10万枚を寄付している。

 同じくラッパーのエミネムはユニークな方法で募金集めだ。エミネムがアパレルブランド「カーハート」とコラボした激レアスニーカー「ナイキ・エアジョーダン4」1足を賞品として提供。希望者は1口10ドル(約1060円)で抽選に応募し、その売り上げを支援団体に寄付するというものだ。ちなみに同シューズはオークションサイトなどで1足約300万円の高値で取引されている。

 また、エレクトロポップの新星ホールジーはカリフォルニア南部にある4つの病院に計10万枚の医療用マスクを寄付。「来る日も来る日も最前線で働く医療従事者に感銘を受けています。そして今後も支援を続けていきます」とインスタグラムで感謝のメッセージを添えた。

 他にもレディー・ガガやアリアナ・グランデ、ビリー・ジョエルら多数の人気アーティストが、新型コロナに苦しむ人たちの救済活動を行っている。