3年ごとに開催される国内最大規模の現代アートの祭典「あいちトリエンナーレ」の負担金3300万円を巡り、愛知県と名古屋市が対立している問題で21日、河村たかし市長(71)がツイッターを更新。市を訴えると明言している大村秀章知事(60)に動画で反論した。

 同イベントの会長代行を務めた河村市長は「今日とんでもないことが起きまして。大村愛知県知事(同会長)が、3300万円払えと名古屋市を訴えたという事でございます」と報告すると「これは、そもそも締結の時には信義則に反する事象の変更があった時はそりゃ払わんこともできるという規定があって。内容ですけど、とにかく政治的中立を害するひでえもんですわ。反日テロのようなものと皆さん言われます」と訴えた。

 その後「まず一つは、昭和天皇の肖像画をバーナーで燃やして足で踏んづける。実は違うものが初めの申請書に出とったんです。隠してやったんです、これは。2番目は慰安婦像が出とる。もう一つは、日本軍の亡くなった兵士の皆さんは、まぬけな日本人だという展示が出とった」と、当時物議を醸した展示内容について触れた。

 そして「これは公共事業ですから、名古屋市民の税金で1億3000万、県で5億8000万、それから国の税金、補助金も出とります。とてもこれはいかんということで、未払いになっとった3300万円は払えんと。こんな政治的に偏ったものには。これは絶対払いませんので。市民の皆さん、県民の皆さん、国を守らないかん、これ。ということでよろしくお願いします」と、あくまで負担金を払わない姿勢を明確にした。

 河村市長は「コロナ禍で苦しむ県民の支援を優先するべき」と訴えており、この時期に訴訟を持ち出した大村知事の姿勢を批判。これまで文書で3回、「実行委員会開いて話し合おう」と呼び掛けたものの、無視されたという。

 同イベントで行われた「表現の不自由展・その後」には抗議が殺到。河村市長が大村知事に抗議文を提出するなどして、わずか3日間で中止に追い込まれたが、その後に1週間だけ開催された。