フリーアナウンサー久米宏(75)がパーソナリティーを務めるTBSラジオ「久米宏 ラジオなんですけど」(土曜午後1時)が27日、最終回を迎えた。

久米は現在の心境を「TBSに長いことわらじを脱いでいたという感覚がある。そろそろまたわらじをはこうかな」と説明。自身をヤクザ映画や時代劇の端役である「ちんぴら」になぞらえると、「ちんぴらっていうのが僕の役回り。それで何とか生きてきた。にぎやかしというんですか」と語った。

続けて「ところが最大の計算違いは『ニュースステーション』ですね。精神としてはちんぴらを全うしようと思っていた。でもちんぴらが真ん中にいっちゃったのがまずかった」と、キャスターを務めたテレビ朝日系報道番組を振り返りながら苦笑い。自身の性質について「自分はちんぴらでいたいというのがずっとある。メインストリームに行きたくない」とし、13年9カ月続いた番組が終了することについても「ラジオ聞いている人も13年ちんぴらの話を聞いているのは大変だったと思う。本来のちんぴらになって、ウロウロしていきたいなって思うんです」と再スタートを切る胸の内を語った。

最後のゲストとなったタレント、伊集院光(52)から「どっち方面に行きたいんですか」と今後について聞かれると、「まあ都内でね。PASMO(パスモ)が通用するあたりでウロウロしようかと思ってるんです」とジョークで応じた。

番組の終盤で久米は「1970年から仕事を始めてちょうど50年。半世紀ですから、十分やったと言えば十分やった」。就活生が勉強のためにラジオを聞いているというエピソードを話すと、自身についても「小学校中学校って、ほとんどの時間はラジオとテレビの前ですね。そう言われてみれば、僕も勉強したのはラジオとテレビだった」と回想。「ただ僕は癖がある人間なので、スタッフは苦労したと思う。たくさんいるんですけど、相当くたびれたと思います。聞く方も癖がある人だったので、気にくわないことも、お疲れのこともあったと思います。でもこれでお別れってわけではないので、またチャンスがあったらいつか、そのうち、ぜひ」と締めくくった。

「ラジオなんですけど」は06年10月にスタートし、約14年間にわたり放送。番組終了は6日の放送で発表された。久米は番組の終了理由に加齢による集中力や根気の衰えなどを挙げ「(番組は)下り坂になってからやめるというのが一番よくないっていうのが僕の自説」などと説明していた。