俳優の味方良介(27)、植田圭輔(30)、元乃木坂46の女優・井上小百合(25)が10日、東京・紀伊國屋ホールで「朗読 蒲田行進曲完結編『銀ちゃんが逝く』」の公開ゲネプロ前に報道陣の取材に応じた。

 同舞台は、劇作家・つかこうへい没後10年追悼イベントとして上演。本来は「つかこうへい演劇祭」の第3弾として演劇「蒲田行進曲完結編『銀ちゃんが逝く』」が上演される予定だったが、新型コロナウイルスの影響で公演中止に。その代わりに感染防止の観点から朗読版として上演されることになった。

 つかさんの命日にあたる10日から日まで、23日から4日間の追加公演も決まった。

 コロナ禍で、客席のソーシャルディスタンスを保つため、チケットは約1000枚しか用意できず。稽古時間も限られたが、無事に初日を迎え、味方は「泣きそうです…。ここにいることがうれしい。劇場にいるのも命日に舞台に立てるのも最高です。とても楽しみですし、120%でぶつかりたい」と話せば、植田も「魂を届けますので、魂を受け取ってください」と続けた。

 4月27日に乃木坂46を卒業した井上は、コロナ禍での上演に「いろんなリスクを背負って来てくださるお客さんに、絶対に届けられるものがあると信じています。葛藤はあったんですけど、初日を迎えられたことはすごくうれしいですし、楽しんでいきたいです」と力を込めた。

 朗読とはいいつつも、稽古を重ねるに連れて演劇色が色濃くなっていったという。

 コロナ禍での稽古は苦労も多かったようだが、「誰かと泣いたり笑ったりする時間は、生きる上で大切なものなんだなと感じました」と振り返り、「稽古場でみなさんに助けられました。ソーシャルディスタンスを取りながらもお芝居をしなきゃいけない。距離を取らないといけないけど、その分感情を持っていかなきゃいけない。新しい試みができた」と話した。

 このほか、演出の岡村俊一氏も出席した。