「70歳を超えてから、この作品が最後になるかもしれないと思いながら、歌っています」

中条きよし(74)が新曲「北の灯り」(15日発売)のPRのため31日、大阪市北区の日刊スポーツ新聞社に来社した。中条にしては珍しい男歌。“最後の歌”は男性も女性も聞いて切なくなるような一曲に仕上がっている。

2年半ぶりの新曲は、愛する人と果たせなかった約束を胸に、北を旅する男の切ない気持ちを歌い上げている。「こんなご時世で切ない曲は合わないと思ったが、今の時期だからこそ男の切なさを歌いたいと思った」と話す。

実はこれまで歌った曲の9割以上が女歌という中条。新作リリースに当たり、さまざまな人に作詞を依頼したというが、良いと思えたものがなかった。一度は白紙に戻しかけたが、一本の電話を機に、制作が一気に進んだ。「これまで縁と勘を大切にしてきたから、今回も」。偶然にも巡り合った今作への特別な思いがあふれる。

「歌いやすく、いける」と自身も実感した通り、オリコンの週間シングル演歌・歌謡曲ランキングで初登場8位など売れ行きも好調。周りからも「歌ったよ」と言った声が多く集まっており、手ごたえを感じている。

歌手生活も大台の50周年を超え、52周年目を迎えた“ミスター・ダンディー”。最後の曲にふさわしい作品をこれからも歌い続ける。