「ゴールデン☆エース」が復活ののろしだ。新日本プロレスのNEVER無差別級6人タッグ王座決定トーナメント(7日、後楽園)で、棚橋弘至(43)と飯伏幸太(38)は1回戦を突破。タイチ(40)、ザック・セイバーJr.(33)組が持つIWGPタッグ王座挑戦に前進した棚橋は、相棒に自らの“継承者”と見立てる激言を飛ばした。

 大阪城大会(7月12日)でIWGPタッグ王座から陥落したゴールデン☆エースは、棚橋の不調が続いたこともあり、チームの信頼関係に亀裂が入りかけていた。それでもマスター・ワト(23)とのトリオで出撃したトーナメント初戦では、敵軍の金丸義信(43)にゴールデンブレイド(合体式スリングブレイド)を決め復調の兆しを見せる。

 終盤には棚橋が集中砲火を浴びたが、合体ブラックメフィストを狙ったタイチに飯伏がハイキック一閃。棚橋がそのまま前方回転エビ固めで丸め込み、逆転勝利を飾った。試合後は「お前が『神』と呼んだ棚橋はもういないかもしれない。けど現役でいる限り、俺は上を目指すから。飯伏、次はお前が『神』になれ!」と絶叫する棚橋に、飯伏も「神になりますよ! 任せてください」と呼応するひと幕もあった。

 これまでコンビ復活のカギは、棚橋の再浮上にかかっているという見方が大半だった。だが当の本人は「棚橋奇跡の復活からゴールデン☆エース復活の流れになるほど、僕のヒザはよくないですよ。なら何か。飯伏の覚醒でしょう」と冷静に分析。「僕も一レスラーの野心は消えてないんですが、何とかしたい、飯伏を。棚橋に勝ってスターダムにのし上がった一番いい例はオカダ(カズチカ)。さらにその先を目指すとなると、もう神になるしかないわけです。カミゴェではなくカミナレです」とさらなる進化に期待を寄せた。

 もちろん全てをパートナーに丸投げしているわけではない。近年の棚橋はヒザの負傷に苦しむ姿ばかりが目立つが、「最近、悲壮感で(自分を)見てられないんでね…。それでも一人でも応援してくれるファンがいる以上はあがいて、もがきますよ」と前を向く。

 この日の勝利で、目標とするタッグ王座挑戦に一歩近づいたのは確か。「このままじゃ飯伏に申し訳ないし、終われない」。“神の系譜継承”というテーマも加わった2人が輝きを取り戻しつつある。