芳根京子:「演じていて胸が苦しくなりました」 今夜放送「Akiko’s Piano」への思い

8月15日放送のドキュメンタリードラマ「Akiko’s Piano」で主演を務める芳根京子さん=NHK提供
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8月15日放送のドキュメンタリードラマ「Akiko’s Piano」で主演を務める芳根京子さん=NHK提供

 女優の芳根京子さんが主演を務めるドキュメンタリードラマAkiko’s Piano」が、8月15日午後6時からNHK・BSプレミアムとBS4Kで放送される。広島に投下された原爆によって命を落としたある女性の物語で、芳根さんは主人公の河本明子を演じた。「当たり前の時間、当たり前の日々がどれだけ貴重なものかというのを、これまでも言葉にはしていたけれど、実感、体感したことがなかった。ピアノが弾きたい時に弾けないとか、トマトが食べたい時に食べられないとか、友達と遊びに行きたいのに行けないとか……。すごく等身大の19才の願いがかなわない時代だったというのは、演じていて胸が苦しくなりました」と話す芳根さんが、放送に向けて思いを語った。

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 同作は、1945年8月6日、広島への原爆投下によって爆風を受けながら、奇跡的に焼け残ったピアノのかつての持ち主・河本明子さんの在りし日の姿を、日記に基づいてドキュメンタリーとドラマで描く。

 物語は昭和15(1940)年、広島県三滝町に暮らす河本明子(芳根さん)は、父・現吉(田中哲司さん)、母・シヅ子(真飛聖さん)、そして弟2人と仲良く暮らしていた。明子の喜びは、大好きなピアノを演奏すること。ある日、彼女の夢を応援してくれた教師の竹内(町田啓太さん)の元にも、召集令状が届く。戦況が悪化していくにつれ、徐々に音楽から引き離されていく明子の生活。「勉強がしたい」「もっとピアノを弾きたい」、そんな思いをよそに、勤労奉仕に駆り出される。そして昭和20(1945)年8月6日の朝も、父の反対を押して、作業のために市の中心部へと向かっていったのだった……という内容。

 2017年度後期の連続テレビ小説(朝ドラ)「べっぴんさん」では、戦中戦後を生きたヒロインを演じた芳根さんは、「私は東京出身なので原爆については身近に被害にあわれた方がいなかったのですが、この作品に参加して、知っていると知らないとではすごく違うなと改めて感じました。実際に経験した方がいらっしゃる出来事を演じる怖さというものは感じますが、どんどん知らない人が増えていくなかで、こうして作品に残せること、そしてこういう作品に参加させてもらえることは、自分の人生においてもすごくありがたいことだと思います」と振り返る。

 さらに芳根さんは「東京出身で今、23歳の私には、言葉にするのが難しくてすごくもどかしいんですけれど、被爆したピアノの存在や、被爆して19歳で亡くなった明子さんという女性の存在を、とにかく知ってほしいと思います」と心境を明かし、「やはり私と同世代の人たちも引き継いでいかないといけない出来事ですし、この作品に参加させていただいたからこそ感じ取れている部分はあると思うので、言葉で説明するよりも作品を見ていただけたら全部伝わるのではと思っています」と語った。

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