三田佳子(78)が23日スタートのNHK BSプレミアムドラマ「すぐ死ぬんだから」(日曜午後10時)に主演する。作家内館牧子氏(70)の終活小説のドラマ化で、78歳のハナが前向きに歩き出す姿を描く。

出演依頼の前に小説を読んだ三田は「内館さんの作品は1度やってみたいと思っていた。ハナさんについては、こんなにピッタリくる人物はないと思う。実年齢の役が主人公という設定もめったにないから」。

18歳でデビューし、今年で60周年。「数カ月に1度、手入れ(エステ)に行きます。演じる上で『自分の肉体が絵筆』というつもりでやってきた。折れないようにするためのメンテナンスは大事と思っています」。冒頭で棺(ひつぎ)に入る衝撃的場面がある。「あのシーンを通して、ハナがどんなキャラクターなのか理解してもらえる。抵抗? ありません。役になっているから。めったにできない新鮮な体験をさせてもらった」。

内館さんも収録現場を訪問し「美しくゴージャスな三田さんが、ハナをと信じられなかったけど、ハナそのものと思った。大女優はすごいものだなと驚きを通り越し呆気(あっけ)にとられた」と称賛。コロナ禍の収録だったが、三田は「役をいつも以上に深く考え、見つめることができた。老いて生きることの意味をあらためて考えさせてくれるドラマではないでしょうか。『すぐ死ぬんだから』を良い意味で開き直りの言葉と受け取ってもらえれば」。松下由樹、小野武彦が共演する。