女優の鳳恵弥(39)、俳優の渡辺裕之(64)、塩谷瞬(38)らが19日、東京・築地本願寺ブディストホールで舞台「シーボルト父子伝~蒼い目のサムライ~」(23日まで)の初日を迎えた。

 日本に最新医学を広めたドイツの医師シーボルトと2人の息子の物語。当初は4月29日~5月3日に公演予定だったが、新型コロナウイルス禍で今回の日取りに延期された。

 シーボルト役の渡辺は、コロナ禍の舞台について「やりづらい中でできること自体、幸せなことだと思う」としみじみ。その上で「コロナ(が死因)じゃないかもしれないけど、大スターや監督が次々と亡くなられて、いろいろな思いを残してくれた。その思いを受けながら、日々精進していきたい」と語った。名前は挙げなかったが、10日に肺炎のため死去した俳優の渡哲也さん(享年78)を思い浮かべてか、誓いを新たにした。

 シーボルトの長男役の塩谷は、コロナ禍が直撃している演劇界について「演劇に対して致命的なダメージを与えようとしている時代になってしまったと思う」と憂慮。今回の舞台を「多くの人に見ていただきたい」と訴えた。