広島・野村祐輔投手が19日のDeNA戦で悪いなりに粘りの投球を演じた。初回、4安打&四球でいきなり2失点…。この日はボール先行で毎回走者を出す苦しい投球だったが、それでも要所を抑えて2回以降はゼロを並べた。6回二死二塁の場面では鋭いけん制球で走者をアウトにしてピンチを脱出。終わってみれば6回2失点でマウンドを後にした。

〝勝負〟には負けたが、試合は作った。相手4番の佐野は5学年差のため同チームでのプレーこそないが、中学からプロ入りまでの所属チームがまったく〝直系〟の後輩。今季は4番として首位打者争いをするほど打ちまくっているだけに「起点にもなるし、かえすこともできる」と警戒していた。結果として2打数2安打1四球と抑えることはできなかったが、先発の仕事は果たした。

 そんな野村の粘り腰に奮起したのが堂林だ。6回一死、相手先発・浜口の直球をフルスイングし、右翼ポール際に飛び込む9号ソロを放った。会心の一発に「後ろにつなぐ気持ちでいきました。結果としていいホームランになって良かったです」とコメント。不振のため前日に打率は3割を切ったが、この日は第1打席にも二塁打を放つなど復調ムードだ。

 勢いづいた打線はその後、田中広も「しっかりと自分のスイングで仕留めることができた」と21打席ぶりの安打となる4号ソロアーチを放ち同点に持ち込んだが、ここまで。試合は無念のドローとなった。