【英国・トルーン23日(日本時間24日)発】女子ゴルフの今季メジャー初戦「AIG全英女子オープン」最終日(ロイヤルトルーンGC=パー71)、上田桃子(34)が67をマークし、通算1オーバーの6位で12年ぶりにメジャーの自己最高成績を更新した。若手の台頭が目立つゴルフ界だが、まだまだベテランは健在だ。優勝はソフィア・ポポフ(27=ドイツ)で通算7アンダーだった。

 厳しいコンディションが続いた3日目までとは一転、リンクスとしては穏やかな天候となった最終日。上田は「伸ばしていかなければいけない」と覚悟を決めてスタートした。

 すると、序盤からバーディーラッシュ。2番パー4で早くも初バーディーを奪うと、3番パー4では2打目を1メートルにピタリ。4番パー5は4メートルを沈めて3連続バーディーとした。さらに名物ホールの8番パー3もPWで1メートルにつけ、前半だけで4つスコアを伸ばした。

 後半はすべてパー。安定したプレーを続けたものの、次のバーディーは奪えなかった。「風がない分、2打目の距離が残って、そこまで短いチャンスはありませんでした。悔しいですね」と充実感を漂わせる笑顔でラウンドを振り返った。

 52位から19位と大きく順位を上げた3日目に目標として口にしたのが、自己最高成績の更新。2008年の7位がメジャー全体のベストフィニッシュだったが、34歳にして記録を塗り替えた。

 新型コロナウイルスの感染が広がる中、家族からは今大会の出場を反対されたが「熊本人“頑張るぞ”というところを見せたい」と豪雨災害に遭った地元を思って決断。また、ツアーの中断期間に「一日4~5時間パッティング練習をして、このパッティングならやれるかもしれないというのもありました」と大会を終えて、もう一つの参戦理由を語った。

「現役でいる以上は一番上を目指すのがアスリートの使命だと思います」と向上心は衰え知らず。風に対応した低く抑えたショットは今大会でさらに精度を増し「現地に来てから身に付けた技術」と胸を張った。

 国内ツアーでは今大会予選落ちに終わった渋野日向子(21=サントリー)らの黄金世代やさらにその下の世代が活躍を続けているが、米女子ツアーも経験した元賞金女王は健在どころか、さらに成長を続けている。

 帰国後2週間の自宅待機を経て、復帰となる国内ツアー、さらには今大会の成績により、出場権を獲得した来年の「全英女子」とさらなる活躍が期待できそうだ。