新日本プロレス26日の東京・後楽園ホール大会で「KOPW 2020」1回戦が行われ、タイトル提唱者のオカダ・カズチカ(32)が高橋裕二郎(39)、邪道(51)、外道(51)との「1対3ハンディキャップマッチ」を制して「タイトル保持者決定4WAY戦」(29日、明治神宮野球場)に進出した。

 KOPWは出場選手が持ち寄ったルールをファン投票にかけて試合形式を決める変則タイトル。自ら提案したハンディ戦に臨んだオカダは数的不利に加えて、反則三昧の3人組に大苦戦を強いられた。合体技スーパーボムも浴びるなど、あわやの場面を何度も作られる。

 それでも場外へのトぺ・コンヒーロで裕二郎と邪道をKOすると、ついにリング上で外道と1対1の戦況を作り出す。ツームストーンパイルドライバーから変型コブラクラッチでギブアップを奪い、3人相手の過酷マッチに終止符を打った。

 これでオカダは、他の1回戦を勝ち上がったSANADA(32)、矢野通(42)、エル・デスペラードとの4WAY戦に進出。同戦の勝者がタイトル保持者となり、年末までの防衛義務を負う。「ホントにきつい1対3でしたし、このきつさはIWGPとは比べられないです。正直、レスラーとしての幅は広がったんじゃないかと思います」と試合を振り返りつつ「『ホントに新日本プロレスなの?』って試合をお見せすることができたんじゃないかと思います」と、個性豊かな公式戦でファンを魅了し好スタートを切った新タイトルへの手ごたえをアピールした。

 プロレスの多様性を追求するKOPWは、IWGPヘビー級王座のような新日本の〝本流〟とは別路線で、賛否両論が巻き起こる可能性もある。それでもオカダは「過去にも1対3ってやってますし、ランバージャックもやってますし、それこそ巌流島でやったり、いろんな戦いを新日本はやってたんですよね。何なら原点回帰の一つじゃないかと思いますし。IWGPがあるからこそ、この戦いも認められると思うので。(KOPWが)IWGPの上を行くことはあってはいけないことだと思いますし、一周回って戻ってきたと思って、新日本プロレスを盛り上げたい」とキッパリ。

 プロレス界のエースが提唱した、新たな戦いが幕を開けた。