中日・与田剛監督(54)がナインをベタぼめだ。28日の巨人戦(東京ドーム)に5―3で勝利し、連敗を3でストップ。負ければ自力優勝の可能性が消滅する危機だったが、崖っぷちで踏みとどまった。指揮官は「甲子園での悪い流れをなんとか断ち切りたいと今日移動してきたが、選手一丸となってのこの勝ちは大きい」と喜んだ。

 ヒーローは阿部だ。3―3の7回一死一、二塁で右中間を破る値千金の適時二塁打を放ち、2点を勝ち越した。「チャンスで回ってきたので後ろにつなぐ気持ちでいった結果が良かった。何とか(打球を)上に上げて併殺だけは嫌だったので確率的に右打ちの方がいいかなと思ってやった」と、してやったりの表情を浮かべた。

 与田監督は「このところ、しぶとい打撃ができている。本当にいい打撃だった。右方向への阿部らしいバッティングというか、粘り強くできたのではないかな」と手放しでほめ称えた。

 さらに2点を追う6回一死二、三塁の好機に代打で登場した堂上が今季17打席目にして初安打。これが右翼フェンス直撃の適時二塁打となり「裏でしっかり準備して頭を整理して打席に入りました。チャンスでしたし、絶対打ってやろうと思って打席に入りました」と気合をみなぎらせていた。これには指揮官も「今日試合前に『今日出たら絶対打ちます』という言葉を力強く言ってくれていたので、本当に有言実行で、打った瞬間ホームランかなというくらいいい当たりだった。積極的に初球から打てたと思う」と明かし、最敬礼した。

 それでも今カードで首位・巨人に一つでも負ければ、自力Vが消滅する危機は変わらず、徳俵に足がかかったままだが、与田監督はナインを鼓舞し続けて勝ちまくるつもりだ。