桂米朝一門の落語家、桂塩鯛(65)が、10月11日に大阪・サンケイホールブリーゼで開催される独演会を行う。大阪市内で14日、取材会を開いた。

新型コロナウイルスの影響で人数制限があることから、今年は1日2公演で6席を披露する。「私も65過ぎてるんですよ」と心配そうに語ったが、「命ある限りやってみよう。気合入れ直してやっていきたい」と意気込んだ。1日6席は初めて。「コロナより私の体力の方が心配」と話した。

それでも、今までの経験から「力の入れようなどは分かってきた。6席やれないということはない。この日のあと、どういう状態になってるかが心配」と自信ものぞかせた。

午前11時開演の部では「つる」「質屋蔵」「宿題」、午後3時30分の部は「みかんや」「寝床」「ワニ」を披露する。「宿題」と「ワニ」は桂文枝(77)が三枝時代に創作した落語。塩鯛は台本などをもらっていたが、「10年ほど放っておいた。この際ひとつやってみよう」と考え、上演することを決めた。

塩鯛は18年末に肝硬変で入院。最近もウイルス性胃腸炎になったという。普段から免疫力が上がる食べものやストレッチなどに気を配り、「お酒は一切飲んでおりません」と明かした。

自粛期間中は気分が下がり、「落語をしたくない」という気持ちにもなった。それでも調子が戻ってきたといい、独演会を楽しみにしている。「サンケイホールブリーゼでの独演会は特別。高級な、自分が1番自信あるものを出さなあかんと思っている」と意気込んでいる。

当日は有料生配信も行う。塩鯛は「意識はしてないけど、『時間はちゃんと守ってください』と言われます」と笑顔で話した。