中日・与田剛監督(54)のトーンがこれまでと変わってきた。18日の阪神戦(ナゴヤドーム)は4―8と逆転負けで3連敗となり、対阪神は5連敗。リーグ4位ながら、これで3位・DeNAとは4ゲーム差まで拡大し、8年ぶりのAクラスが遠ざかるばかりだ。

 誤算は先発した柳だ。5回まで1安打1失点と好投も、2点リードの6回に大山に逆転満塁弾を浴びてKOされ、今季5敗目を喫した。大山への投球が甘く入ったことについて指揮官は「たらればを言ってもしょうがない。打たれた現実、あそこで任せたのも監督だし、打たれた現実をやっぱり柳も受け止めないといけない」とピシャリ。

 これまで試合後の与田監督は敗因となった選手をかばうことがほとんどで、ダメ出しをするようなコメントは避けてきた。しかし、この日はいつもとは違い、満塁弾を浴びてマウンドでぼうぜんと立ち尽くし、天を仰ぎながら降板した柳について「あの結果ではね。落ち込むのは当然だろうし、まだまだ6回だったし、前回も6回を投げ切れなかったのでね。そこはベンチとしても右のエースとしての期待もあるわけだし、急に悪くなるようではいけない。悔しい思いを乗り切ってほしいところ。打たれたのは自分の責任なので、しっかり受け止めないといけないところ」と語気を強めた。

 前回11日のDeNA戦で柳が3勝目をマークした際は5回2/3で降板。チームの先発陣でも6回以上投げて白星を挙げたのは、3日の広島戦での福谷(7回2/3)以降ない。9月は中継ぎ陣にかなりの負担がかかっており、指揮官のイライラも募っているようだ。

 それでもこの日、今季一軍初登録され即登板した清水が1回無失点と好投すると、与田監督は「すごいね、素晴らしいボールを投げていた。中継ぎもそうだし、状態がよければ、先発のチャンスも出てくるかもしれないので若い力には期待しています」と持ち上げる。

 今後はこの清水を含めてこの日、一軍合流した勝野、二軍では山本が好投しており、エース右腕の柳もうかうかしているとローテを剝奪されかねない状況だ。ふがいない選手には厳しいことをいうスタイルに変身しつつある指揮官は、今後どんな采配を振るか。